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きょうはベルを朝一で動物病院へ連れていき、
戻ってきたところです。
薬を変えたので、その効果を見るのと、
副腎の検査のために1日入院です。

とは言え・・・
家以外の場所で過ごす1日は、今のベルには負担ではないのか?
それなら検査などもうやめて、
いっそ自宅療養に切り替えた方が
善いのではないか?
でも薬が効いて、ベルと1日でも長く居られるなら
それは当然ありがたいわけで・・・。

誰のための治療なのか?
誰にとっての歓びなのか?
ベルが話せない以上、すべては
人間のエゴの選択なんだよな・・・と、
自分を責めてみたりと、心は驚くほど忙しない。

実は、今週の金曜日から、
わたしの実家に夫と2駅となりに暮らす妹と
お墓参りもかねて
帰省することになっていました。

今年のお盆は帰れなかったことと、
お正月も新型コロナの影響で
世間の空気がどう醸成されているか
分からないことに配慮し、
「Go To トラベル」などで、
国内移動に対する警戒が緩んでいる今がチャンス!と
思ったからでした。

でも、先日母とメールであんなことがあり、
ベルの体調も鑑み、
わたしはすっかり帰省をする気分では
なくなっていました。

夫も
「気が乗らないなら無理しなくてもいいんじゃない?」
と言ってくれたので、
妹だけに帰省をしてもらい、
わたしたち夫婦は東京に残ることを選んだのでした。

母にその旨を事務的に淡々とメールすると、
しばらくして母から電話がかかってきました。
(わたしは正直直接話したくありませんでした。)

「帰るの、無理そうなの?」

と訊く母に、

「副腎ががん細胞で肥大していて、
更にそこから肝臓に転移してしまって
致命的みたいなの。
おまけに肥大した臓器が
両側から胃を圧迫しているから
早晩、モノを食べられなくなって、
吐き戻しが始まるんだって。
今は幸い痛みがないけど、
そのうちにモルヒネシールを貼ることになる。
ベル、痩せちゃって、背骨が浮き上がってる。
足は棒みたいだし。大好きなきゅうりも
噛み切れない。ドライフードも食べない。
食べられる食材も限られているから
毎日養分を摂らせるのに必死。
正直、もうそんなに長くはないと思う・・・」

話しながら、
自分でもよくこんなに他人事のように
事実だけをあげつらえたものだな・・と思いました。

本当は、
ベルが死んでしまうことが怖いよ。
淋しいよ。苦しいよ。
どうしたらいいかもう分からない。
心細いよ。悲しいよ。助けて、お母さん!

と叫びたかった。

でも、そんなことをしたところで、
この人にはわたしの言動が
恐ろしく見えるだけ・・・。
すぐに話をすり替えられて、
「動物はいつかは死ぬんだから」と
また正論という爆弾を落とされるだけ・・・

ところが、
そんな風に思っていたわたしは、
電話越しに伝わってきた
母のすすり泣く声に、一瞬何が起きているのか
分からなくなりました。

「かわいそうだね。
元気になるといいね。
お母さん、ベルが良くなるように、
祈ってるから。
しっかり、看てあげなさいね。」

そう言って、母が泣いているのです。

「ありがとう。祈ってて・・・」

そう返事をするのが精いっぱいでした。

それは、生まれて初めて
母がわたしの発した”感情”を受け止め、
寄り添ってくれたのだと
確信できた瞬間でした。

絶望的な話をしていたのにも関わらず、
わたしの心の中は、
たぶんずっと欲しかったもの、
ずっと望んでいたものが与えられた子供のように、
少しずつ、少しずつ凪いでゆくのを感じていました。
その時のわたしを包んでいたのは、
今まで味わったことがなかったような、
”いま、そう感じている自分はこれでいいんだ”
と言う絶対的な「肯定感」そして、
「安心感」でした。

この日を境に、日に日に弱って
苦しんでいるベルを見ても
狼狽しなくなりました。

 

代わりに、
命がけで「生きる」を見せてくれているベルを
全力で支え、讃え、
最大級の感謝で天国へ送り出そうと
決めたのでした。

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